こんにちは、ラッキーです。
今回は、電子書籍でマンガを読んでみたいけど、何を読もうか迷っちゃうというあなたに、気軽に読める、1巻完結のおすすめマンガの厳選20冊をご紹介します。
今までで2,000冊以上のマンガを読んできた私が厳選20冊をご紹介します。
1巻完結の電子書籍 おすすめポイント
本記事では、電子書籍で読めるマンガをご紹介していきます。
しかも紹介するのは、ジャンルがヒューマンドラマの1巻完結のマンガです。
なぜ、1巻完結のマンガに限定するのかですって?
理由は簡単、手軽に読めて、面白いからです!
私自身、もともと感動系のマンガが大好きで、それこそ今でもほぼ毎日のように読んでいます。
そこで、あることに気づいてしまったんです。
そう、1巻完結のマンガってめちゃくちゃ面白いじゃん、ってことです。
理由は3つあります。
- 時間がない時でも気軽に読める
- 作者のセンスが凝縮されている
- 人気作家さんの意外な一面が垣間見れる
電子書籍を時間がない時でも気軽に読める
これはすぐお分かりになるかと。
1巻完結なので、数話しかありません。
30巻とかあると、確かに読みごたえも十分ですが、その分時間もかかります。
私はよくマンガ喫茶に行くのですが、これ読もうかなぁと手に取ってみると、完結まで読むのに、気づけば丸1日、なんてことは結構あります。
1巻完結であれば、個人差はありますが、30分もあれば読めちゃいます。
仕事で残業が多く、家に帰ってご飯食べてお風呂入って、ふと時計を見たら21時、なんてこともありますよね。
気分転換にマンガを読みたい、でも明日も仕事だから23時には寝たい!
そんな時は是非1巻完結マンガを読んでください。
あなたはきっと満足した気分で、23時に寝れることでしょう。
作者のセンスが凝縮されている
これ、不思議ですよね。
でも、実際その通りなんです。
あなたも経験あるかと思うんですが、仕事で相手にメールを送るときに、簡潔にわかりやすく相手に伝わるようにメールしなさい、と言われたことはありませんか。
学校での作文でも同じです。
文字を少なくすれば当然情報量も減り、それでもわかりやすくとなると、そこには工夫が不可欠です。
文言を差し替えたり、例えを入れたり、不要な言い回しを省略したり、ですかね。
マンガでも同様のことが言えます。
起承転結と表現されますが、この構成を意識しつつ、伏線の回収や世界観を読者に十分に伝えることが、私はマンガが面白いと思える基準と思っています。
それを、時間で言えば分単位のボリュームの中に落とし込むことは難しいだろうなぁ、というのは感じていただけるのではないでしょうか。
普通はできません。
でも、それができている作品を以下では紹介しています!
めちゃくちゃ考えて、練りに練った短編作品のため、作者のセンス、伝えたいこと、世界観がギュッと詰まっている作品が1巻完結マンガなんです。
人気作家さんの意外な一面が垣間見れる
1巻完結マンガにハマってしまってからというもの、作品が作られた背景や作者どういた気持ちで執筆しているのかも考えるようになってしまいました。
まず1巻完結マンガはデビュー作や、まだ有名になる前の作品も多いです。
今では人気漫画家さんとしてご活躍されている方の漫画もたくさんありますよ。
『惡の華』ってご存じですか?
実写映画化もされた人気漫画なんですが、その作者「押見修造」先生の作品も本記事で紹介しています!
その作品自体も実写映画化されている1巻完結の人気漫画です。
詳細は以下で解説していますが、甘酸っぱくてほろ苦い青春ストーリーに仕上がっていますよ。
前置きはこのくらいにして、ここからは私が厳選した、1巻完結のおすすめマンガ20冊を一挙ご紹介します!
電子書籍1巻完結 ヒューマンドラマ おすすめマンガ 厳選20冊をご紹介
『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』 押見 修造
※版元ドットコム引用
主人公は、表紙にもある「大島志乃(おおしま・しの)」という入学したての高校1年生。
彼女はうまく言葉を発することができないコンプレックスを抱えていた。
クラスの自己紹介の場では、緊張のあまりおかしなことを言って、クラスメイトに笑われてしまう。
気づけば一人になっていた。
お昼には一緒に食べる友達もおらず、孤立してしまう。
そんなとき、ひょんなことからクラスメイトの「岡崎加代(おかざき・かよ)」と話すようになる。
彼女もまたコンプレックスを抱えており、一人悩んでいた。
二人はあることで意気投合し、夢に向かって突き進んでいく。
自分が憧れつつも、諦めていた、友達との青春の思い出が一つまた一つ増えていく。
志乃は充実した高校生活を送っていた。
だけど、その生活はある一人のクラスメイトによって終わりを迎えてしまう。
それぞれにコンプレックスを抱えた高校生たちが時にはぶつかり合いながら成長していく甘酸っぱくてほろ苦い、そんな青春ストーリーをぜひ読んでみてください。
- 甘酸っぱくてほろ苦い青春ストーリーが嫌いじゃない方
- とにかく感動したい方
- コンプレックスとの向き合い方を知りたい方
『リストランテ・パラディーゾ』 オノ・ナツメ
※版元ドットコム引用
舞台は「イタリア」。
主人公は、「ニコレッタ」という21歳の女性。
とある事情で、レストラン『カゼッタ・デッロルソ』で新米シェフとして働いている。
実はこの子、このレストランのオーナー夫人の娘。
でも、そのことはレストランのみんなは知りません。
その理由や、レストランのメンバーそれぞれの人間模様など、とても複雑に絡み合っていきます。
主人公のニコレッタも最初はある目的でこのレストランに近づいたのですが、次第に1人の従業員に心惹かれていきます。
ニコレッタの目的は何だったのか?そして、その従業員との関係性はどうなるのか?など、伏線もたくさんありますが、すべて回収してくれるので、ご安心ください。
そんなレストラン『カゼッタ・デッロルソ』での人間模様とそれぞれのキャラクターの成長を描くヒューマンストーリーをあなたも読んでみたくありませんか?
- 老眼鏡紳士に興味がある方
- 老眼鏡紳士の渋い男気に癒されたい方
- 今、壁にぶち当たっている方
『響子と父さん』 石黒 正数
※版元ドットコム引用
主人公は、娘の「響子さん」と「お父さん」の二人。
タイトルの通りですね。
でも、「お母さん」も作中でいい味、出してます。
年頃の娘と、それを見守るお父さんの日常のあれやこれやを描いています。
娘の響子さんはギャルな感じは一切なく、どちらかというと大人しい女の子。
20代でイラストレーターのお仕事をしています。
でも頭はいいのか、お父さんのボケに対するツッコミや会話の端々で発するコメントは結構的を得ていることが多い。
お父さんは、芸人で言うと完全に「ボケ」担当ですね。
本人は真面目なつもりだと思いますが、終始、ボケてます。
そんな二人が秋葉原に行って、一緒に買い物をしたり、食事をしたり、その中でのやり取りやちょっとした事件を面白おかしく描いています。
表紙を見たとき、よくある父と娘の感動ストーリーだと思いましたが、実際は日常系ギャグマンガでした。
長編モノや推理モノに疲れてしまった時や、とにかく笑って癒されたいときに、おすすめの作品ですよ。
ぜひ読んでみてください。
- 娘がいる方方
- 何も考えず、とにかく癒されたい方
- 響子さんの鋭いツッコミで、スカッとしたい方
『ネムルバカ』 石黒 正数
※版元ドットコム引用
主人公は、大学の女子寮に住む先輩の「鯨井ルカ」と後輩の「入巣柚実(いりす・ゆみ)」。
表紙にも映っている二人ですね。
左の黒髪のキリっとした感じなのが、後輩の「入巣柚実」、右の金髪のユルい感じのが先輩の「鯨井ルカ」です。
本作はこの二人の何気ないキャンパスライフを描いています。
何気ない1コマの中に、時折心を抉られるようなシーンがいきなり出てきたりします。
どんなシーンか、気になりますよね。
ざっくり言いますと、「夢も持たず、このまま将来大丈夫?」的なシーンです。
これは、大多数の方が経験あるんじゃないでしょうか?
今学生で、友達となんやかんや遊んだり、バイトしたりしているけど、夢もないし、やりたいことも特にない、将来はサラリーマンになって、可もなく不可もなく過ごしていくのかなぁ、なんて思ったことありませんか?
私はまさにそうでした。
大学生って、その存在自体、中途半端かなって思います(非難しているわけじゃないですよ)。
子供でもないし、大人でもない、そんな存在な気がします。
だからこそ、不安定で言葉にならない焦燥感を常に抱えてしまう。
自由でもあり、不自由でもある、そんなあいまいな感情や葛藤を実にうまく表現しているのが本作『ネムルバカ』なんです。
ぜひ読んでみてください!
- 怠惰な大学生活を送っちゃった方
- 今何かに悩んでいる方
- 苦くて甘酸っぱい大学生活を追体験したい方
『りとうのうみ』 たかみち
※版元ドットコム引用
物語の舞台は、青い海と大自然が魅力的な離島、那間古島。
主人公は、離島で生まれ育った、スポーティな顔立ちの少女、「海」。
名前まで、まさに正統派離島少女ですね(笑)
幼いころから、海で泳いでいるため、その姿はイルカも驚くほど優雅。
そんな彼女は冒頭、友達の「ヨースケ」と舟でヨースケの忘れ物を取りに別の島に向かっていた。
本作は、そんな島での暮らしを美しい景色や、個性ある離島の住人達と共に描かれている。
前編フルカラーで、作者の気合の現れですよね。
元々、イラストレーターとしても活躍されていた方なので、とにかく海や空の描写がきれい!
内容だけでなく、絵にも注目してもらいたいです。
- 沖縄大好きな方
- 旅行に行った気になりたい方
- 驚くほど、きれいな海を見たい方
『みしかか! ヨシノサツキ短編集』 ヨシノサツキ
※まんが王国引用
本作の特徴は何と言っても、ひたすら日常の一コマを描いていることだと思います。
これって結構難しいことだと思いませんか?
何と言うか、作品として完成させることが難しいんじゃないかと思いました。
もちろん、バトルものとかミステリーものも難しいと思いますが、物語の起承転結は描きやすいと思います。
日常系って、特に変化もなくゆるゆると時が過ぎていくイメージなので、作品としてオチをつけたり、驚きによって読者を惹きつけたりってことが難しいかなぁと。
でも安心してください、本作は面白いです!
日常系ではありますが、ファンタジー要素もあって、結構予想を裏切る仕掛けもありますし、秀逸なオチもあるからです。
本作は全9編で構成されていて、どれも思わずクスッと笑ってしまう作品ばかり。
ぜひ読んでみてくださいね。
- マンガ『ばらかもん』が好きな方
- とにかく癒されたい方
- 五島列島など、島国の暮らしに興味がある方
『ルックバック』 藤本タツキ
※版元ドットコム引用
主人公は、自分の才能に絶対の自信を持つ小学4年生の女の子「藤野」。
そして、もう一人、同じく小学4年生の女の子「京本」。
二人は同じクラスだったが、一度も会ったこともなければ、もちろん話したこともない関係でした。
なぜなら、京本は引きこもりで、学校に行っていなかったためです。
ただ、この二人はお互いをかけがえのない存在と思えるまでになります。
そのきっかけは「漫画」でした。
藤野は、クラスでも人気者で、学年新聞には自分が描いた4コマ漫画を載せていました。
ある日、引きこもりの京本も学年新聞に漫画を載せます。
すると、クラスからは絶賛の嵐。
ものの見事に自信を打ち砕かれた藤野は、自分より上手い小学4年生がいるなんて信じられない、と下校途中に突然走り出します。
果たして藤野は何を思い、どう行動していくのか。
そして、京本とはどう関わっていくのか。
これを読んだ後、あなたはきっと希望を見ることになるでしょう。
正直1巻完結とは思えない完成度です。
ぜひ読んでみてください。
- チェーンソーマンを読んだことがある方
- 30分程度で、名作映画並みの読後感を体験したい方
- 今何かに思い悩んでいて、きっかけが欲しい方
『大斬ーオオギリー』 西尾維新
※版元ドットコム引用
本作は、あの『化物語』シリーズでもおなじみの西尾維新先生が、9つのテーマをもとに、マンガで言う「ネーム」を作成し、それを元に、9人の豪華な漫画家さんたちが完成形に昇華させた短編集なんです。
ヤバくないですか。
タッグを組んだ漫画家さんの中には、『いちご100%』の河下水希先生や『DEATH NOTE』の小畑 健先生など、超豪華なコラボになっています。
捉えようによっては、西尾先生と9人の漫画家さんとの才能のぶつかり合いみたいですよね。
読んでみた感想としては、まさに夢のような作品だった~ってことです。
本作は本当の大喜利のように「お題」が存在します。
詳しくは以下記事でも紹介していますので、ぜひ併せて読んでみてください。
- 化物語の、独特の間と作風が好きな方
- 1冊で色んな漫画家さんのお話を、贅沢に読みたい方
- 好きな漫画家さんが各篇にいる方
『さよならガールフレンド』 高野雀
※版元ドットコム引用
本作は、10代~20代の女性の本音が、これでもかと詰まった作品です。
何と言うか、女性が読んだら思わず「うんうん」と共感してしまうような内容だと思います。
私の嫁はそうでした(笑)
一方、男性が読むと、ちょっとバツが悪いような、思わず謝りたくなるような内容かもしれません。。。
いや、面白いんですよ。
面白いんですけど、なんかごめんなさい的な気持ちにさせられました。
やっぱり女性の本音がテーマなので、付き合っている彼氏とかクラスの男友達とかに対する本音がホントにエグいんです。
それだけじゃなくて、結構どん詰まりな暮らしをしている主人公が多いんですが、ラストにはほっこりするような結末が待ってたりと、どんな状況でも希望はあるんだよと伝えてくれている気がして来るんですよね。
誰しも、生きている以上、悩みや不安は当たり前のように存在します。
そんな時、どうやって解決すればいいのか、本作を読んで頂き、そのヒントになれば幸いです。
ぜひ読んでみてください。
- リアルな女心を知りたい方
- 今の生活にどん詰まり感がある方
- 青春ストーリーが好きな方
『ヨルとネル』 施川ユウキ
※まんが王国引用
主人公はヨルとネルという小学6年生くらいの男の子二人です。
だけど、ただの子供ではないんです。
二人は小人なのです。
親友であり、お互いに支えあって生きています。
時には夜の街で、時には留守中の家で、時には下水道で、生きる場所を転々としながら旅をしているんです。
その中で、小人ならではの苦労や楽しさを二人の軽妙な掛け合いを通して、描かれています。
ただ、最後まで、2人のほのぼの小人ライフを描く、だけではないんです。
施川先生らしく、ほのぼの→ハラハラへ大きく物語が展開されていきます。
その流れが秀逸で、読者を引き込ませます。
正直1巻完結とは思えない完成度です。
ぜひ読んでみてください。
- 小人たちのほのぼの旅を観察したい方
- ほのぼのとドキドキを同時に堪能したい方
- シュールなギャグが嫌いじゃない方
『こども・おとな』 福島鉄平
※版元ドットコム引用
主人公は「相田サトル」という小学生1年生の男の子。
サトル君は度々問題を起こします。
女の子を泣かしちゃったり、それでも全く悪びれる素振りもなかったり。
なので、先生から居残りをさせられてしまいます。
先生が聞きます。
「なんで、おめえだけ居残りか分かるか」
サトル君はバカと言ったから?と聞きますが、答えはノーです。
「これから、このクラスの”リーダー”になるんだ」
それから、サトル君は変わります。
そんな物語が全6編あります。
それぞれの編で、サトル君は大人と関わって、成長してくことになります。
本作で面白いのは、読者の方もハッとさせられるような気づきがあることです。
成長ストーリーと言っても、所詮子供のレベルでしょ、と思っているあなた、ぜひ読んで、ハッとしてしてください(笑)
- 子供時代を思い出したい方
- 考察しながら読むのが好きな方
- 子供の成長に涙したい方
『休日ジャンクション』 真造圭伍
※版元ドットコム引用
タイトルの通り、人々の休日が題材となった短編集です。
一口に休日と言っても、人によって様々ですよね。
一日中ゲームしたり、マンガ喫茶に行ったり、恋人とデートに行ったり、家族と旅行に行ったり。
本作でも、7話それぞれで全く異なる休日の過ごし方をしています。
久しぶりに会った友人とのドライブだったり、人生の転機となる休日だったり。
本当に様々です。
作者は2016年に実写映画化された『森山中教習所』の真造圭伍先生です。
『森山中教習所』って、聞いたことないなぁと思いましたか?
映画では、野村周平、賀来賢人のダブル主演。
そして ダンカン、麻生久美子、光石研といった往年の実力派が脇を固めています。
普通に豪華なメンツですよね。
ストーリーも「人とのつながり」について、すごく考えさせられるような内容で、面白いです。
ちなみに私は映画で見ました。(上では紹介していなかったですが、岸井ゆきのが好きなんです)
すみません、脱線しちゃいました(笑)
真造先生は、他にも『ぼくらのフンカ祭』は第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を受賞したりしてるんです。
要するにすごい作家さんってことです。(語彙力なくてすみません)
そんな真造先生が描く、『休日ジャンクション』。
ぜひ読んでみてください。
- 仕事や学校にちょっぴり疲れてしまっている方
- 次の休日の過ごし方をまだ決めていない方
- 猫に泣かされたい方
『神様がうそをつく。』 尾崎かおり
※版元ドットコム引用
主人公は「七尾なつる」という小学生6年生の男の子。
最近、東京から転校してきて、今は地元のサッカークラブにも通っている。
平凡な学生生活と思いきや、実は彼はクラスの女子から無視されている。
理由はクラスのマドンナからのプレゼントを受け取らなかったためだ。
そんな彼が最近久しぶりに会話した女子がいる。
名前は「鈴村理生(すずむらりお)」と言い、本作のヒロインである。
彼女は、他と比べると、大人びた雰囲気をしており、背は同級生の男子より高い。
二人は、ひょんなことからお互いの秘密を共有することになる。
ある日、なつるは捨て猫を拾うが、そこから物語は一気に進むことになる。
ヒロインの理生が抱える秘密、それを知ったなつるの行動、その結果による怒涛のラスト。
正直1巻完結とは思えない完成度です。
ぜひ読んでみてください。
- 甘酸っぱい青春ストーリーが嫌いじゃない方
- 少年少女の頑張る姿にキュンとしたい方
- 表紙の絵に惚れた方
『珈琲時間』 豊田徹也
※版元ドットコム引用
タイトルの通り、コーヒーが題材となった短編集です。
ただ、コーヒーの引き方や淹れ方をひたすら極めるような作品ではありません。
各話、コーヒーを通して、人と人とが心を通わせるヒューマンドラマです。
月刊アフタヌーンで連載されていた全17話の短編集で、各話きっちり12ページで構成されれいます。
当時、月1の12ページの楽しみを心待ちにしていたファンも結構いたようですよ。
残念ながら私は見てはいなかったのですが、電子書籍で読んでみると、各話で完結していて、読んだ後はほっこりと心温まる作品に仕上がっていました。
ハラハラドキドキはないですが、コーヒーでも飲みながら、ゆったり読むには最高の作品です。
読後感も爽快で心温まる内容なので、豊田作品を読んだことがないという方には最もおすすめだと思います。
ぜひ読んでみてください。
- コーヒーが大好きな方
- まるで映画のようなひと時を味わいたい方
- ラストの心温まる結末に癒されたい方
『虫と歌 市川春子作品集』 市川春子
※版元ドットコム引用
本作は市川春子先生の短編集です。
この人の作品の特徴はずばり、「人でないもの」を題材にした作品が多いです。
だけど、単純に化け物と人間の戦いみたいなSF作品ではなくて、人ではないけど、ある意味、人より人間らしい登場人物の日常を幻想的に描いているんです。
しかも、読んでいるうちに本当に人に見えてきます。
無地や鉱物だったりと、普通なら人間とは思えない存在なんですが、いつの間にかすんなりと受け入れちゃうんですよ。
設定はなんだかよく分からない部分も多く、あらすじだけ読むと、「なんだ、こりゃ」って思ってしまいますが、不思議ですよね。
理由としては、ちゃんと科学的に説明している部分があるからだと思います。
よくあるSFのナンデモあり的なものではなく、なぜそうなっているのか、その背景もきちんと描いているところも好感が持てました。
ぜひ読んでみてください。
- 幻想的な雰囲気が好きな方
- 人ではない何かに興味がある方
- ラストの心温まる結末に癒されたい
『スキエンティア』 戸田誠二
※まんが王国引用
物語の舞台は、表紙にもある巨大な建造物が象徴的な近未来都市です。
そこで暮らす人々が持つ苦悩と、それに対する禁断の科学との出会いや葛藤が描かれた、全7編の短編集です。
ある日、禁断の科学に出会い、葛藤し、最後にどのような決断をし、生きていくのか、本作ではそんな人々の人生の一幕を垣間見ることができます。
また、数百年先の、今ではとても存在しないような突飛な科学技術が題材ではないんです。
きっといつかはそうなるんだろうなぁ、と思うような内容ばかりです。
科学によって、叶うこと、叶わないことがあり、それにより簡単に幸せになる、ということではなく、最後にはやはり自分自身が悩み、行動しなければ明るい未来は掴めない、逆に言うと、自らが頑張れば、いくらでも希望はある、そんなメッセージを私は感じました。
今何かの壁にぶち当たり、思い悩んでいる方には、ぜひ読んでほしいです!
- マンガでも読んで気分転換したいけど、時間がない方
- 近未来の科学に興味がある方
- ラストの心温まる結末に癒されたい方
『式の前日』 穂積
※版元ドットコム引用
かけがえのない人って誰ですか?と言われたら、あなたはなんて答えますか?
本作では、お互いをかけがえのない存在だと思っている二人の日常が題材となっているんです。
全7編で構成されていて、どれも泣かせに来ます(笑)
まず、作画!
表紙でもわかりますが、上手くないですか?
しかも、表情が何とも言えない。
二人は本作でも収録されている『式の前日』に出てくる人物なんですが、この二人の関係性を絶妙に表現しています。
二人の何気ない会話や、表情、仕草、ラストのセリフやシーンにそれぞれ意味があって、読み終えた後に、あ~だからそう言ってたのね、と思わせる構成にしびれます。
ぜひ読んでみてください。
- マンガでも読んで気分転換したいけど、時間がない方
- 大切な人がいる方
- 思わぬラストに、ハッとしたい方
『水上悟志短編集「放浪世界」』 水上悟志
※まんが王国引用
本作は、SFジャンルで、長編妖怪ものから日常系SF短編集などマルチな作品を描かれている水上悟志先生のSF短編集です。
どれも、違った面白さがあって、気づいたら読み終えている感じになると思います。
例えると、フレンチのフルコースですね。
特に最後に収録されている『虚無をゆく』は短編集では長く、実に74ページにわたって、描かれています。
ページ数に負けない、重厚なストーリーとなっていて、メインディッシュにふさわしい作品です。
- SF作品大好きという方
- 日常系からSF系まで幅広く読みたい方
- 最初はほっこり、最後は涙腺崩壊したい方
『ひきだしにテラリウム』 九井諒子
※版元ドットコム引用
こちらの作品は、数々のマンガ賞を受賞している名作『ダンジョン飯』を描いた九井諒子先生の短編集です。
九井先生は他にも短編集『竜の学校は山の上』や『竜のかわいい七つの子』を描かれていますが、本作は少しテイストが違います。
本作では、一瞬の閃き、みたいなものが各短編で描かれているんです。
SFを土台にしてはいますが、それぞれの作品はグルメ、ファンタジー、寓話と、全く別物と言っていいと思います。
ただでさえ1巻完結なのに、その中に33話もあるから、各話数ページしかないので、内容だって薄いんでしょ、と思うかもしれません。
安心してください、その中に笑い、涙、驚きすべて詰まってます。
ぜひ読んでみてください。
- 万華鏡のように変わる作品に興味がある方
- 読み終えた後に思わず、やられた~と感じたい方
- 色んな賞を受賞している作品を読みたい方
『惑星9の休日』 町田洋
※版元ドットコム引用
こちらの作品は町田洋先生のデビュー作です。
地球と似た辺境の星「惑星9(ナイン)」という星に暮らす人々の何気ない日常と、少しのドラマを描いた作品です。
全8作品が収録されており、物語の舞台は「惑星9(ナイン)」で同じですが、それぞれのお話は独立しているんです。
どの作品も起承転結がうまくまとまっており、それでいてほっこりとできるSFドラマに仕上がっています。
「惑星9(ナイン)」はイメージでいうと砂漠のような土地です。
服装は半袖の人が多いので、やはり温暖な気候のようですね。
8作品ある中の最初の作品「「惑星9の休日」の冒頭では、この惑星自体が、恒星への公転に対して、垂直に自転しているため、真北の窪地に陽の光がさすことは永遠になく、物語の中では「永久影」と表現しています。
そして影の中には古い町が丸々凍り付いて存在しているとあります。
そこで暮らす人々は、どこか異国の人のような印象も受けますね。
そんな人々の、何気ない日常と、その奥底にある形容しがたい感情をそこはかとなく表現してくれている作品を読むことができます。
すみません、すごいフワッとしか説明できず申し訳ないのですが、なぜそうなってしまうのか、読めばわかります。
でもご安心ください、きっと読んだ後にはほっこりとした気持ちになり、明日からの日常が少し明るく感じられるようになっているはずです。
私がそうでした。
ぜひ読んでみてください。
- 仕事や部活で忙しいけど、手っ取り早く気分転換したい方
- 最近、ハラハラドキドキ作品しか読んでない方
- 世にも奇妙な物語的な空気感が嫌いじゃない方